C bible編集部

オウンドメディア

好きな人に「好きです」と伝えるのは、ストレートな愛情表現です。

これで気持ちが伝わって相思相愛になれるなら、それに越したことはありません。

しかし、オウンドメディアを作る時、まさにこの「I Love You」一辺倒でコンテンツを作ると、なかなか読み手に振り向いてもらえないといった苦悩を抱えることになります。

大事なことは、『自分が伝えたいこと』を起点にメディアを作るのではなく、『読み手が興味を持つこと』を起点に、メディアを作るということです。

そのことを私に学ばせてくれたのは、ふと観たテレビで特集されていた、九谷焼だったのです。

1.九谷焼の伝統を多くの人に伝えたい

九谷焼は、石川県が世界に誇る伝統工芸です。

窯によってデザイン・技法はさまざまですが、色とりどりの鮮やかな色彩と、緻密で繊細な筆使いで仕上げた美しい画は、古くから人々の心を捉えてはなしませんでした。

この素晴らしい作品も、伝統も技法も、すべて後世に残したいものです。

しかし、ストレートに伝統を伝えようとしても、最初から九谷焼に興味がある人はほんの一部の人だけです。

オウンドメディア事例

もちろん、その一部の人に対して熱心に伝統を伝えていくことも大事です。しかし、それではより多くの人に九谷焼の伝統を伝えることができません。

となると、今は九谷焼に興味が無い、あるいは興味はあるけど何か行動を起こすまででもない、そういった人たちに対しても、九谷焼の伝統を伝えなくてはならないのです。

おそらく九谷焼にたずさわる方々は、このことに、多くの苦悩と試行錯誤をくりかえしたことでしょう。

2.九谷焼とオウンドメディア

九谷焼にまつわる悩みは、オウンドメディアにも通じるものがあります。

自分たちが伝えたいことに、最初から興味を持っている人なんて、ほんの一部です。

過去にクライアント様から、こんなことを言われたことがあります。

「商品は、店舗用の什器。なので、店舗用什器をテーマにしたメディアを作りたいです。」

これに対して、私たちはクライアント様の話をくわしく伺ったあと、「テーマは再考した方が良いです。」とお答えしました。

冒頭でも述べた通り、メディアのテーマを決める時は、読み手が興味を持っていることを起点にした方が良いと考えたからです。(その点は、クライアント様にもお伝えして、ご納得いただけました。)

前段では割愛しましたが、実はクライアント様は、店舗を開業する事業主に対して、自社の什器をアピールしたいと考えていました。

であれば、メディアのテーマは「店舗を開業する事業主が興味を持つこと」を中心にすべきだというのが、私たちがあわせてお伝えしたことです。

※これは実際にあった話ですが、クライアント様を特定させないため、話の一部を事実とは変えています。

3.顕在ニーズと潜在ニーズ

ニーズには大きくわけて2つあります。

それが、顕在ニーズと潜在ニーズです。

先の例では、確かに、店舗用什器のメディアに流入している時点で、読み手は什器に興味があります。

おそらく「店舗 什器」や「業務用 棚」といった複合キーワードで、オーガニック検索からメディアに到達したのでしょう。

しかし裏を返せば、すでに脳内にキーワードがあるので、ニーズは顕在化していると言えます。ニーズが顕在化している人だけにアプローチするのも良いですが、問題がひとつあって、その母数はひじょうに小さいということです。

オウンドメディアのコンセプト

「店舗を開業する事業主が興味を持つこと」は、什器だけではありません。店舗を開業する際に必要な情報は、他にもたくさんあります。

自分が伝えたいこと=自社の什器のこと

読み手が興味を持つこと=店舗開業の際に知っておくべきこと(たとえば事業計画の作り方・必要経費の目安・失敗事例・開業までの手続きの流れ……etc.)

これは一例ですが、上記のように『読み手が興味を持つこと』を起点にメディアをつくった方が、潜在ニーズにもアプローチできて、より多くの人に伝えたいことを伝えることができます。

4.KUTANI SEALで、「まずは知ってもらう」

では、九谷焼の伝統を伝えるために、どんな工夫があるのでしょうか?

調べると、さまざまな工夫がありますが、今回は一つピックアップしてご紹介いたします。

KUTANI SEAL(クタニシール)というシールの名前を、聞いたことがあるでしょうか?

2009年に九谷焼窯元・上出長右衛門窯と日本のものづくりをプロデュースする丸若屋が立ち上げたワークショップブランドです。クタニシールは「九谷焼をみなさんの身近に」をテーマに転写技術を使ったワークショップと製品を企画しています。

引用元:http://www.kutaniseal.com/about.html

「九谷焼の伝統について知りたいか?」と聞かれても、もともと興味がなかったので、私はYESとは言わないと思います。

でも、「九谷焼をシールのように器に貼れる」と聞くと、その気軽な感じもあいまって、すこし興味が湧きます。

さらにKUTANI SEALが貼られた可愛い器を目にすれば、(自分でもやってみたい!)と思うでしょう。

九谷焼

http://www.choemonshop.com/seal/kutaniseal.html

KUTANI SEALは、九谷焼の伝統(自分が伝えたいこと)を、ストレートに伝えるのではなく、可愛いシール=相手が興味を持つこと(持ちそうなことでもOK)に形を変えることで、より多くの人に(結果的に)伝統を伝えています。

まずは九谷焼の存在を知ってもらい、そこからすこしずつ興味の度合いをつよくしてもらい、もしよければ九谷焼の伝統を知ってください。というスタンスです。

大事なことは、『読み手が興味を持つこと』を起点に、メディアを作るということ、と冒頭で書きました。KUTANI SEALは、まさにこのことを思い起こさせてくれたのです。

5.オウンドメディアで伝えたいことを伝えるには?

オウンドメディアを作る時、コンセプトが大事だとよく言います。

伝えたいことを伝えるには、このコンセプトを決める時に、まず読み手を明確にすること。その上で、その読み手が興味をもつことを起点に、どんなメディアが良いか?を考え抜くことが大事です。

オウンドメディアで伝えたいことを伝えることは、けっして簡単なことではありません。しかし、『読み手が興味を持つこと』を起点にすれば、より多くの人に伝えたいことを伝えることができるのです。

以上、九谷焼にオウンドメディアの作り方を学んだ話でした。

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