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ネイティブ広告とは

ネイティブアドとはなにか、あなたは説明できますか?

かくいう私も、これまでやれバナー広告だやれリスティングだ、というゴリゴリのダイレクトマーケティングの世界にいたので、はじめてネイティブアドを知った時には「なにこの広告!?」「こんなんじゃ売れないよ!」と驚いた記憶があります。

しかし、クリエイティブディレクターとして、知らないままでは許されませんでした。

はじめはネイティブアドの勝手がわからず、失敗したこともしばしば…。

今回は、そんな失敗を経験した私だからこそ見えた、ネイティブアドとは何かについてお伝えします。(ややダイレクトマーケティングの担当者向けの内容かもしれません。)

ネイティブアドとはこれまでのインターネット広告に一石を投じる、新しい広告スタイルなのです。

もしあなたがかつての私のようにネイティブアドに懐疑的なら、ぜひこのコンテンツを読み、ネイティブアドについて理解を深めていただければと思います。

※2016年10月に加筆修正をいたしました。

1.ネイティブアドとは?

ネイティブアドとは簡単にいうと、メディアに自然に溶け込むように表示される、広告だと感じさせない広告のことです。

バナー広告やリスティング広告は、誰がどう見ても広告ですよね。それは広告枠という広告専用の枠に表示されているから。でも、もしそうじゃなかったら?

ネイティブアドの見せ方はとても自然。つまり通常のコンテンツと同様のレイアウトとデザインで表示されるので、ユーザーにストレスなく広告を見てもらえます。

バナーの作り方

2. なぜ今ネイティブアドなのか?

ネイティブアドが注目されている理由は2つあります。

広告業界全体の変化といった大きな要因もありますが、ここではユーザーの広告に対する意識の変化に注目して述べたいと思います。

2-1. バナーブラインドネス問題

まず、ダイレクトマーケティングにおいて、従来の主力であったバナー広告の効果が悪化してきていることが挙げられます。リスティング広告、テキスト・GIF広告も同様ですが、やはりCVが一番獲得できるバナー広告の効果が下がっているのは課題です。

実は、ほとんどのユーザーはバナー広告をクリックしていないのをご存じでしょうか?

私が広告運用をしている感覚値として、(商材や出稿媒体にもよりますが)だいたい1,000PVで1~2件ユーザーにクリックされれば勝ちクリエイティブと言っていいでしょう。ものによっては(負けクリエイティブ)それ以下のクリック率もざらです。

そのたびにバナーの分析とブラッシュアップを繰り返すのですが、CPAを担保しつつクリック率を上げることは簡単ではありませんし、多くの時間を要します。

こうした広告担当者の努力を嘲笑うかのように、バナーブラインドネスがそれに追い打ちをかけるのです。

以下の数値をご覧ください。

2009年にComScore社が発表した「Natural Born Clickers」というレポートによると、「84%のユーザーは、1か月の間に一度もバナー広告をクリックしない」「4%のヘビークリッカー(1か月に4回以上バナーをクリックするユーザー)が、バナー広告の全クリックの67%を占めている」というバナー・ブラインドネスの実態が報告されています。

引用元:Marke Zineー「深刻なバナー・ブラインドネス問題を解決する手段となるか/コンテンツ型ネイティブアドに寄せられる期待」

私はこの事実を知り愕然としました。

ただでさえ低いクリック率にも関わらず、見ているユーザーが固定されているとしたら、効果が合わないのも当然のことだと思いませんか?

年々、ユーザーのネットリテラシーが高まる中で、『自分に無関係な広告は無視すべきものだ』という認識ができつつあるのかもしれません。ユーザーは『自分にとって価値ある情報』しか見なくなってきているのです。

そんな中で、ユーザーの知りたい情報と親和性の高いコンテンツとを組み合わせたネイティブアドなら、これまでバナー広告を無視していたユーザーにも興味を持ってもらえる可能性が生まれます。これは多くの広告担当者にとっての朗報ではないでしょうか。

2-2. スマホ広告の伸長

ネイティブアドがまだ知られていなかった時代。私がスマートフォン広告の提案をする際に、頭を悩ませた覚えがあります。画面が小さいことが要因か、バナー広告の効果がパッとしなかったからです。

スマートフォンが爆発的に世の中に普及していくのと同時に、当然スマートフォン広告も伸長していきました。しかし、クライアントの成果を上げられないと頭打ちになってしまうのは当然です。

そこでネイティブアド、特にインフィード型広告は注目を集めました。

当時、GunosyやSmartNewsに代表されるスマートフォンのキュレーションアプリが台頭してきたことも追い風になり、CTRが高いインフィード型のネイティブアド枠が伸長しました。

バナーをラフに作る

3.ネイティブアドのメリット・デメリット

次に、ネイティブアドのメリットとデメリットをご紹介します。

どんなに便利なツールも一長一短あります。100%便利なツールなんてものはこの世にはそうないでしょう。

しかしデメリットに対処できれば、ネイティブアドは限りなくあなたの会社にとって有益なものになるのです。

3-1. ネイティブアドのメリット

クライアントから見たネイティブアドのメリットは整理すると下記の2点だと考えます。

・コンテンツとの親和性からユーザーの興味をひきやすい(CTRも高い)
・ブランディングがしやすい

2つ目のブランディングがしやすいという点が、他にはないネイティブアドの特徴です。

ユーザーがネイティブアドをクリックしたあとに、自社の歴史や理念などを類似コンテンツに関心のあるユーザーに配信すれば、自社のファンになってくれる可能性も高まります。

ただ、ユーザーが違和感・不快感を持つような、「売り感」の強いページを用意してはなりません。あくまで、ユーザーにとって価値がある情報を提供することを心がけましょう。

3-2. ネイティブアドのデメリット

いいことばかりのように思えるネイティブアドのデメリット。それはステルスマーケティング(以下ステマ)と誤認されるリスクです。

ステマとは広告であるにも関わらず、それが宣伝であるとユーザーに悟らせないように宣伝するマーケティング手法です。一般的にはモラルに反していると認識されているので、露見すれば批判の対象となります。

近年では食べログのやらせ投稿(業者が一般人のふりをして店に高評価をつけること)やペニーオークション詐欺事件が大きな問題になりました。ユーザーを騙す行為は、会社の信用問題にもなりかねません。こうしたステマと誤認されるリスクがネイティブアドには潜んでいます。

では、どういう時にユーザーは「騙された!」と感じるのでしょうか?

私はユーザーが騙されたと感じるのは、主に二つあると思っています。

1,広告だと知らずにクリックした時

これは広告表記をわかりやすく明記することですぐに解決できますし、そもそも過度に錯誤的な広告は媒体の審査に通らないでしょう。必ず広告だと明記する、ということだけ注意してください。

ただユーザーが広告だと知らずにクリックした場合でも、次のページに親和性があれば「騙された!」と思う可能性は低くなるでしょう。広告であっても、ユーザーを第一に考えることを忘れてはなりません。

2,商品宣伝ばかりでユーザーの期待を裏切った時

これは宣伝が先行してしまい、コンテンツ性に乏しい場合に起こります。

たとえば『美レンジャー』のレコメンド枠から遷移してきたユーザーは、ネイティブアドをクリックした先のコンテンツを少なからず楽しみに訪れているはずです。

「次はどんな面白いことが書いてあるんだろう・・・」そんな風にぼんやり期待しながらページを移るのです。

そうしたユーザーに、コンテンツ性の乏しい売り感ばかりのページを見せることは逆効果です。

それどころか、期待を裏切られて(そう錯覚して)商品や企業に対して嫌悪感を抱く危険すらあるかもしれない・・・これは最も避けたいところですよね。

と、ここまで読んで「ネイティブアドも広告だからどうしようもなくない?」と思ったあなた、非常に鋭い!

つまりネイティブアドをうまく扱うコツはここにあるのです。どうやってユーザーの期待を裏切らずに宣伝を織り交ぜるか、そのバランスのとれたコンテンツがネイティブアドには必要なのです。

でも、どんなコンテンツがネイティブアドに適しているかなんて、正直わからないですよね?

そんなあなたは、私がコンテンツ作成の際に意識していたことをまずは参考にしてみてはいかがでしょうか。

ネイティブ広告とは(2)

4.ネイティブアドは良質なコンテンツであるべき

私は、良質なコンテンツは下記の3つの要素を持っていると定義してネイティヴ広告を作成しています。

  • ユーザー体験を損なわないもの
  • 楽しさや新しい発見など、ユーザーにとって有益な情報を得られるもの
  • その上で、自社に親近感をもってもらえるもの

有益な情報を発信するためには、ターゲットとなるユーザーのペルソナをしっかり持つことが重要です。「誰に、何を」という部分を明確にしたうえで、その人達が求めている情報をしっかり選別しコンテンツにまとめ上げることができれば、それはその人達にとって自然と有益な情報になります。

コンテンツに期待値を超える情報が待っていれば、それが最終的に広告的な内容で終わったとしても、そこまで不快感はないと思いませんか?

そればかりか面白い情報をくれた企業に、親近感を感じてくれたり、喜んでくれることもあるでしょう。つまり商品紹介に留まらずブランディングにもなるのです。

また、こうしたファンとなるユーザーを一定数確保できれば、広告はひとりでに歩き出します。彼らが自発的に宣伝塔となり、企業にとってプラスになる情報を発信してくれる可能性もあるのです。

上記したことは、コンテンツマーケティングおいても同様です。良質なコンテンツは時に、多額の予算をかけた広告効果を凌駕します。

勝てるバナーのセオリー

まとめ|ネイティブアドの今後は良質なコンテンツが鍵?

1996年、ビル・ゲイツは言いました。「コンテンツ・イズ・キング」と。

ここにきて、インターネット広告は初心に立ち返るべきなのかもしれません。

今後、ますますインターネットが人々の生活の中に溶け込んでいきます。対面のコミュニケーションと同じくらいにSNSが重視される社会なんて、ちょっと前までは考えられないことでしたが、今では当たり前です。

人々はレストランに行くにも、生活用品を買うにも、何をするにもネットの情報を必要とします。そこでの情報が人々の行動を決定づけます。

ただ商品を売ればいいという方法は淘汰され、まるで百貨店のような丁寧な手法に変化していくのだと私は考えています。ユーザーと企業との双方向のコミュニケーションが、遠回りなようでも最も強固な顧客基盤をつくるのです。

あなたもぜひ良質なコンテンツとともに、ネイティブアドにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

※さらに詳しく知りたい方は、eBook「ネイティブアドについてマーケターが知っておくべき10のこと」をダウンロードしてください。